サウダージと室生犀星
- 7月2日
- 読了時間: 3分
by 廻 由美子

【新しい耳】@B-tech Japan 2026
〜モダン・タイムス〜第4弾!
2026年8月9日(日)15:30開演(15:00開場)
会場:B-tech Japnan(東京都港区虎ノ門1-1-3)
サウダージ・ジャポニカ
〜パンとサーカス〜
沢田穣治(コントラバス、ギター、作曲)
伊左治 直(作曲、鍵盤、鳴り物)
廻 由美子( ピアノ、編曲)
新美桂子( ヴォーカル、朗読)
桑鶴麻氣子(朗読)
2023年に作曲、演奏、演劇の超ジャンルアーティストが集まって結成されたユニット「サウダージ・ジャポニカ」。
ジャンル超越のユニットとして注目を集めています。
メンバーが集まればそこは魔法が起こる小部屋、路地裏、芝居小屋、はたまた素敵なサロンになるなど、変幻自在。
前回のメルマガでは、「パンとサーカスってなに?」っお話をしましたが、今回は我々が遊んでる中から生まれた、というか、生まれようとしている作品をご紹介します。
沢田穣治が2013年にリリースしたジャズ・オーケストラの作品集「NO NUKES」はその詩的な美しさとアヴァンギャルドさで、国内外で高く評価されたアルバムです。
その中の「アズーロ」という曲はピアノ連弾作品ですが、海にたゆたう「心」のように美しく、今回、ぜひそれを取り上げたいと思いました。
「アズーロ azzurro」とは青、空色、という意味で、美しい大自然である青い海と空は、沢田穣治の作品の根幹をなしています。
流れるような美しさと儚さ、チクチク来るような鋭さとユーモアをあわせ持つ「アズーロ」の楽譜を眺めながら、「室生犀星の『蜜のあわれ』と合わせられるかな」という話になり、廻が構成を考えて楽譜に入れ込んでみました←今ココ。
室生犀星(1889〜1962)は金沢出身の作家で、「ふるさとは、遠きにありておもうもの」という有名な詩を書いた人です。
上記の詩には伊左治直が、これまた美しい歌曲を書いておりまして、そちらも今回演奏いたしますので、どうぞお楽しみに。その歌についてはまた、メルマガにてお話ししたいと思います。
さて、「アズーロ」とコラボする「蜜のあわれ」は、室生犀星が1959年に刊行した小説です。
結構晩年の作品ですが、そのイマジネーションの瑞々しさには驚くばかりです。
なにしろ、飼っている金魚と恋人同士になる、という話なんですから。
これぞ文学でしかできないものでしょう。
頭の中だけで起きる出来事が、鮮やかに文章になっていく、室生犀星という作家の凄みを感じます。
「蜜のあわれ」は青空文庫で読むことができますので、ご興味があればぜひお読みください。リンクを貼っておきます。
文章は「おじさま(作家)」と金魚の会話だけで進んでいきます。
金魚は、おじさまに恋人同士になることを提案してみたり、「キスができるじゃない」などと言ってみたり、なかなか積極的です。
会話は官能的であったりユーモラスであったり、不思議であったり少し怖かったりしますが、何よりも泡のような「儚さ」が根底に流れているのがなんとも美しいのです。
その感覚と沢田穣治の「アズーロ」はピッタリ!
新美桂子と桑鶴麻氣子の朗読セッションと、伊左治直と廻由美子のピアノ、それに沢田穣治のコントラバスが加わります。
どうぞお楽しみに!
下の【動画コーナー】は沢田穣治の「ヒカリカワ」をご紹介しています。
ぜひご覧ください。
関連ブログ
【動画コーナー】
「ヒカリカワ」(作曲 沢田穣治)
亀井庸州(violin)
小澤洋介(violoncello)
沢田穣治(contrabass)
廻由美子(piano)
撮影・編集 森谷博(アトリエ旅する木)
2014年5月11日 サロン・テッセラにて
2026年6月26日・記 |




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