「冬の旅」その2
- megurin37
- 10月5日
- 読了時間: 3分
by 廻 由美子

2025年11月1日(土)
15:30開演(15:00開場)
B-tech Japan(虎ノ門)
松平敬(バリトン)
中川賢一(ピアノ)
〜冬の旅1820s〜
プログラム
F.シューベルト:「冬の旅」全曲
19世紀の連作歌曲の中でも、最高傑作の誉高いシューベルトの「冬の旅」。
この歌曲の詩は、ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラー(1794〜1827)によるものです。
シューベルトが1797年生まれ、1828年に没していますから、2人はほぼ同世代にあたります。
その時代は「ウィーン体制」「メッテルニッヒ体制」と呼ばれる、規制の多い、締め付けの多い、要するに、ワクワク感の少ないだいぶツマラナイ世の中でした。
そんな世の中でも、シューベルトのような本物の芸術家は心が柔軟で、ツマラナイ日常とは別に「もうひとつの世界」を持っているので、そこで心を奪われたり、動かされたりしては、それを表現しようと努力します。
大声で何かを主張したりはしないけれど、自分の心がワサワサ動いて、それを表現し、人の心を動かし、小さな波動を生んでいく。
動く、ってことは柔軟である、ということですね。頭皮だって固まってると動かないですよね。
ガチガチに固まった大人たちの頭とココロが少しでも柔軟になると、素直に笑ったり泣いたりする人が増え、相手の気持ちになれる人が増えて、分断が減っていくのではないかなあ、と思います。
そんなわけで、シューベルトは人の心の扉を開け続けてきました。
でもそういうのは「当局」にはどうも目ざわりなようです。人々の心が動くからでしょう。
シューベルトと仲間が集まり、音楽や詩を楽しむシューベルティアーデは「あのサロンは人の心を動かすからヤバい」と「当局」に目をつけられ、警察に見張られていたようです。
貴族や富豪の豪華大サロンではなく、友達の集まる親しい雰囲気のサロン、ストラディバリウスよりもチンバロン、宮廷よりもストリート、フルコース・ディナーよりもカフェメシ、大オペラよりも歌曲。
この流れはブレヒトのソングなどにもつながっていくのでは?と思います。
松平敬、中川賢一、各氏は、それこそ仲間たちとの活動でたくさんの波動を世の中に送り続けてきました。
彼らのクリエイティヴな活動は、知的、かつ、動的、かつ、柔軟、かつ、広い視野を持つ頭脳からきています。
そこから生まれた音楽は数えられないほどです。
どうぞお聴き逃しなく。
次回は歌詞大意をお送りいたします。お楽しみに!
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F.シューベルト:白鳥の歌 漁師の娘 / 街 / アトラス / 影法師
松平 敬(バリトン)x 中川賢一(ピアノ)
2025年10月2日・記 |
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