by 廻 由美子
前回のブログ「林光・ホランダー&映画」はこちら
<HISASHI &廻 由美子のリハーサル日記!>
いよいよ先週からHISASHIとのリハーサルが始まりました!
どんなふうにリハーサルが進むのか、少しご案内いたしましょう。
F.ホランダーのソングについては、上にご紹介した動画、2018年のテッセラ音楽祭や、その後も一緒にライブをしたので、多少は余裕。
とはいえ、合わせてみるとまたまた新鮮なアイデアが満載なので、全く新しい曲をやるような感じです。
ユダヤ人だったホランダーが、ナチスが政権を取った後にハリウッドに亡命したことは「フレデリック・ホランダー<カバレット>」でも書きましたが、今回HISASHIとやるホランダーのキャバレー・ソングは全て1920年代、彼のベルリン時代のものです。
もちろん「麗しのサブリナ」なども素晴らしいですが、私はこのベルリン時代の、何ともスパイスの効いた、チャルダーシュやタンゴ、ブルースのリズムがブンブン唸る音楽に惹かれます。
HISASHIの日本語詩は、元の歌詞を尊重しながらも、そのリズムをさらに加速させ、ますます「さあさあさあ、どうするどうする」というノリで歌うので、リハーサルからテンション上がりまくります。
日本語のリズム感ってピシピシすごくカッコいいし、サウンドがオシャレと再認識!
さて、お次は、お互い初めての林光。
楽譜を集め、2人で選曲し、そこから「風景が見える」「やさぐれ感もあるね〜」などと会話を交わしてきましたが、実はいったいどんなふうに作っているのか、そこはお互い全然知らないわけです。
てなわけで、相手がどう出るかは未知のまま、「この曲はこんな風景、あの曲はあんな風景」と見えるままにアレンジし、いよいよ2人で音を出す日がやってきました。
廻「えっとね、この曲はこんなふうにしてみたんだけど〜」
HISASHI「へーっ!おもしろーい。やってみよう!」
から始まるわけです。
たとえば、
廻「この曲は、芝居小屋風にしてみたのよ」
HISASHI「じゃあ、こういう風に歌ってみようかな、フンフンフン!」
廻「ちょっと民謡風にしてみました」
HISASHI「なるほど、そういう感じなら、テンポをはやめてみようか、ランランラン!」
廻「わー!カッコよくなった〜!」
HISASHI「どうやってエンディング?」
廻「こんな感じ。ピラピラピラ」
HISASHI「じゃあ、音を伸ばしながら何かしようかな。ヒューイヒューイ!」
廻「すごいっ!雰囲気にピッタリ!」
1曲ずつ見える景色が違うので、チンドン、雪の朝、ヤクザの純愛など、いろいろイメージしてアレンジしましたが、それもこれもHISASHIの表現の素晴らしさがあればこそ。
実際に音を出し合ったら、イメージ以上に色彩豊かな音楽が魔法のように飛び出してきて、もうビックリ!
そして、林光さんの音楽の、何と懐の深いこと。ジーンときます。
HISASHIがご自身のブログで廻との出会いを書いてくれました。ぜひ読んでください。
彼のライブに私はどうやら派手(笑)な格好をしていったらしい。のちに彼がいうには「一緒にやりません?」と声がけする私を見て「ん?お店とか一緒にやるのかな?」と思ったとのこと汗。
では、「新しい耳」7月6日HISASHI&メグリのカバレット、お楽しみに!
2024年6月20日・記
廻 由美子
「新しい耳」シェーンベルク・シリーズ
@B-tech Japan
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-1-3
磯村ビル1F
全日程15:30開演(15:00開場)
全公演90分ほど。途中休憩はございません。
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