ヒンデミットとジャズ弟子
- 17 時間前
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by 廻 由美子

【新しい耳】@B-tech Japan 2026
〜モダン・タイムス〜
2026年
3月1日(日)
15:30開演(15:00開場)
山田剛史 (ピアノ)
〜響きの鏡〜
反転し、呼応する音。
バッハとヒンデミット、2つの時代の音が反射し、戯れ、お互いを映し出す。
J.S.バッハ :イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 (1735)
P.ヒンデミット :ピアノ音楽 Op.37 第1部 「練習曲:3つの小品」(1925)
P.ヒンデミット : ルードゥス・トナリス(音の戯れ) (1942)
山田剛史さんのヒンデミット公演(3月1日15:30開演15:00開場 B-tech Japan)もいよいよ近づいてきました!
今回のメイン・プログラムの「ルードゥス・トナリス」は1942年の作品です。
作品についてはこちらのブログ、山田剛史〜ルードゥス・トナリス、でご紹介しましたが、1942年、ヒンデミットはドイツを逃れ、アメリカに来ています。
そのアメリカで、ヒンデミットはたくさんのお弟子さんを育てましたが、その中に、ジャズ・ミュージシャンのメル・パウエル(Mel Powell/1923−1998)がいます。
そのメル・パウエルですが、どういう人かというと、10代からニュー・ヨークでジャズ・ミュージシャンとして活動し、ベニー・グッドマン、グレン・ミラー、ジャンゴ・ラインハルトなど名だたるミュージシャン達と共演しています。
ジャズのトップ・ミュージシャンだったわけですが、1948年から身体を壊して演奏旅行が困難になったこともあり、イェール大学でヒンデミットに作曲を習い始めます。
「パウエル君、なんか弾いてごらんなさい」とヒンデミットが言ったかどうか知りませんが、弾いたとすればこんな感じです。
1948年のメル・パウエルの演奏です。2分くらいですのでどうぞお聴きください。
もしヒンデミットがこんな演奏を聴いたら、目の前に宝石の雨が降ってきたように感じたことでしょう。
とにかくこの天才君は、「ボクってメチャクチャ弾けるけど、それじゃつまらないんだなあ」とばかりにヒンデミットからたくさんのことを学び、吸収し、新しい音楽を作っていきます。
メル・パウエルがイェール大学でヒンデミットに習ったのは1948年から1952年で、その後、後世に残るジャズの名盤を作りました。
「ボーダーライン/Borderline(1954)」です。
宝石を撒き散らすようなキラキラ演奏は影を潜め、クールでミステリアスなメロディ、見事なアレンジの妙。
特に対位法的かけあい、カノン、苦味のあるハーモニーなど、ヒンデミットの手法が随所に見られるジャズ・アルバムです。
これを聴くとヒンデミットが蒔いた種がいかに大事なものだったかがわかります。
他にもアメリカではルーカス・フォスなど多様なお弟子さんを育てました。
ヒンデミットがナチスに睨まれてドイツから逃げたことで、アメリカはいい人材を得、ドイツは人材を失い損をしました。排他的になるとソンをしますね。
動画コーナーでそのBorderlineのフル・アルバムを貼っておきます。
これを聴いて、山田剛史さんのヒンデミットを聴くと、また「ヒンデミット愛」が深まること請け合いです!
3月1日、お楽しみに!
【動画コーナー】
メル・パウエル/Mel Powell Borderline
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2026年2月6日・記 |





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